面白くて為になるコミックエッセイ/実体験漫画

異なる人生には、異なる面白さがある〜コミックエッセイのすすめ~
「コミックエッセイ」、読んでいますか?作者の経験談をマンガにしたもので、ビジュアルに訴えつつ、軽やかで読みやすいエンタメ、それがコミックエッセイですね。
読むだけで明るい気分になったり、こういう考え方もあるんだなと視野が広がったり、良い気分転換にもなります。悲惨な経験をとりあげているコミック・エッセイですら、さらさらと読み進められる上、最後には感動・・・!なんてパターンもけっこうあります。
そんなわけでコミック・エッセイ好き私が、おススメな作品をカテゴリー別にご紹介します。みなさまにも良い出会いがありますように。

前半は気分が楽しくなるもの、明るい気分になれるものを中心に紹介します!
心が温かくなるコミックエッセイ・実体験漫画
1.ハハハッと笑える楽しい作品
「コミックエッセイがおすすめ」と書いた矢先ですが、この作品は画力も構成力も高い漫画家が描いているので、本当はコミックエッセイというより実体験漫画と呼ぶべきかもしれません。とはいえ、コミックエッセイと実体験漫画の違いは曖昧なので、ここでは全ての実体験に基づく漫画は、コミックエッセイと呼ばせてください。
この「ママはテンパリスト」は、様々な作品をテレビドラマ化されてきた東村アキコ先生の作品で、笑えて楽しい子育ての記録です。子育てなんてしたことがない、興味のない人も確実に、テンパっている東村先生の姿に笑えるハズ!
肩の力を抜きたいときは、ごっちゃんと東村先生のやり取りを見て、クックックッ、アハハハッと笑って気分転換しちゃいましょう♪
笑える度 ⭐️5 つ オススメ度 ⭐️5つ
価格:777円 |
猫が好きってこともありますが、この作品、私はダァァァイスキです。めちゃめちゃ笑えて、癒されるので、猫好きの方にはもう絶対読んでほしい!にゃんこのポンタ君がすご~~くカワイイし、猫の天真爛漫さに振り回される作者の鴻池 剛先生の姿につい声を出して笑っちゃいます。
やっぱり笑いは気分転換にいいですよね!鴻池先生のホームページでもある程度読めまるので、さっさと読んで笑っちゃいましょう!
笑える度 ★5つ オススメ度 ★5つ (猫好きなら読んで損はありません!)
鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 【電子書籍】[ 鴻池 剛 ] 価格:1254円 |
こちら2作品は有名漫画家が描いているコミックエッセイ。映画にもなった「テルマエロマエ」を代表作品とするヤマザキマリ先生の実体験を描いた作品です。ハハハっと笑えるだけでなく、ホホ〜っと海外文化についても興味深く読むことができます。この作品を読んでいると、「世界は広く、今ある固定観念が全てではない」と感じさせてくれますし、気分転換にもなりますよ。
内容ですが、「イタリア家族」はヤマザキ先生のイタリア人の結婚相手とそのご家族が個性的なので、必然的に起きる様々なハプニングが描かれています。ヤマザキ先生としては愚痴がたまっていくわけですが、そこをはプロの漫画家で、しっかり読者が笑えるように昇華して仕上がっている作品です。
笑える度 ★4つ おススメ度 ★5つ (世界に視野を向けたら、自分の悩みが小さくなるかも!)
イタリア家族 風林火山 1巻 【電子書籍】[ ヤマザキマリ ] 価格:385円 |
「世界の果てでも漫画描き」は、日本を飛び出てヤマザキマリ先生がが冒険する様子が描かれています。特に心に残ったのは3巻目に出てくるチベット編。旅行すると、ふっと命さえ危うくなることもあるのですよね。移動は大変だけど、なんとかたどり着いたチベットはとても魅力的に描かれており、チベットに行きたくなりました(行ってませんけど、行きたい!)。
笑える度 ⭐️3つ おススメ度 ⭐️5つ (旅好きな方に特におすすめ!)
世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 【電子書籍】[ ヤマザキマリ ] 価格:617円 |
「壇蜜」が話題の清野とおる先生の作品。清野先生は、はぐれものや変わった人を面白がる天才だと思います。社会からはダメ人間と思われる人がいると、清野先生はむしろ近づいて、それを酒の肴としてエンジョイする、その姿勢が尊敬ものです。
特に「ウヒョッ!東京都北区赤羽」は清野先生が売れるきっかけとなった初期の作品で、若さありあまって、ハチャメチャで楽しい作品です。こんなふうにネガティブなことも、ポジティブにあじわっちゃえば、人生、もっと楽しくなるでしょう!
笑える度 ★5つ(ハハハではなくてヒョエ~って笑いかもしれません) おススメ度 ★5つ (人類文化学的おもしろさがあると思います)
ウヒョッ!東京都北区赤羽(1) (アクションコミックス) [ 清野とおる ] 価格:995円 |
「ゴハンスキー」は、安いチェーン店のものも含めて、こんなにおいしそうに描けるなんてすごいと思ってしまう作品です。いえ、実際、チェーン店のものもちゃんと味わってみたら、すごくおいしいですよね。生きることの基本、食を貪欲にエンジョイするその姿があっぱれです。
笑える度 ★3つ おススメ度 ★4つ(食べるとエネルギーもらえますものね!)
価格:803円 |
2.心が温まる作品
無頓派といわれる西原理恵子先生の、心温まるコミックエッセイ。最近は高須クリニックの高須先生と仲良くされていますが、シングルマザーとして息子一人・娘一人をおばあちゃんと一緒に育てている様子が面白く温かく描かれています。電子書籍派の方もこの作品だけは、ぜひ紙で単行本を買って読んでほしいです(紙の方が確実に見やすいですよ)。内容も濃いめで小さなスペースに盛りだくさんの情報が詰め込まれています。人生の苦みも描かれているのに嫌な刺激ではないのがすごい!西原家の成長とハプニングを見守りつつ、ついホロッとして温かい気分になる、それが西原先生の作品のうまいところなんですよね。
心温まる度 ★5つ おススメ度 ★5つ (1から14巻目まですべて面白い。子ども達もめちゃくちゃ成長します)
価格:921円 |
女のはしょり道
女いっぴき猫ふたり
おんなの窓
やっちまったよ一戸建て!!
4つも羅列してしまいましたが、私は昔から伊藤理佐さんのファンなのです。伊藤理佐さんの影響でコミックエッセイが好きになったといっても過言ではありません。
(旦那さんの吉田戦車先生の言葉曰く)”ヘタウマ”な絵に、毒はなくともウィットの効いた日常生活の描き方が素晴らしいです。女性なら特に共感できる作品がそろってます。
「女いっぴき猫ふたり」、「やっちまったよ一戸建て!!」は女一人で(独身覚悟で)生きる作者の生活が切り取られています。そして「おんなの窓」では独身生活から吉田さんとの結婚生活へと変化が描かれます。生活が変化しても、女性視点でコミカルに日常を扱っている伊藤先生、私は好きです。
心温まる度 ・ おススメ度 ★(伊藤先生のことが昔から好きなので、偏見が強くなりすぎて★はつけられません。スミマセン。)
価格:583円 |
価格:770円 |
価格:1047円 |
やっちまったよ一戸建て!! 1 【電子書籍】[ 伊藤理佐 ] 価格:770円 |
芸人の矢部太郎さんの作品で、一時期、ブームになってましたよね。芸人としてあまり売れず時間が余っている中で、お年寄りの上品な大家さんと少しずつおつきあいが深まっていきます。最初は大家さんをおせっかいで嫌だと思っていたのに、最後は・・・。読者が思わず涙してしまうような心温まるお話です。正直、2巻目は私はあまり好みではないですが、1巻目はオススメです!
心温まる度 ⭐️4つ オススメ度 ⭐️3つ
価格:781円 |
作者自身も少しダークさがあるイメージですし、この作品も毒親が出てきたりはしますが、絵柄や構成で、むしろ懐かしく温かい感じの方が印象として残る作品。「ダークなちびまる子ちゃん」的な作品ともいえるかもしれません。私は単行本で読みましたが、ビックコミックオリジナルに掲載されていたようですよ。
心温まる度 ★5つ おススメ度 ★4つ
岡崎に捧ぐ(1) (書籍扱いコミックス単行本) [ 山本 さほ ] 価格:865円 |
さあ、だんだんダークなところも扱ってきましたよ。
ダークサイドも面白いコミックエッセイたち
ここから、明るく笑える作品だけではなくて、ダークサイドもちょっと濃いめの作品も紹介していきますよ!闇があるからこそ深みが出たり、共感・感動があったりするので、私はダークサイドが入ったコミックエッセイも好きです。
とはいえ、ダークサイドについては、刺激が強い人もいると思いますので、刺激注意度も独断と偏見で評価します。星が多いものは要注意です。
3.体の病気 (★心には勇気を与えてくれます)
看護師をしていた作者がギランバレー症候群を発症し、闘病生活に入る実体験を描いた漫画。ギランバレー症候群の中でも重い症状がでて、日常生活がままならなくなります。しかし、この作者は基本的にはとてもポジティブに前に進める力のある人。この強さに勇気をもらえる、私も頑張らなきゃって思える作品です。ティッシュを用意してお読みください。
刺激注意度 ★3つ おススメ度 ★4つ
ふんばれ、がんばれ、ギランバレー! 【電子書籍】[ たむらあやこ ] 価格:660円 |
売れない漫画家が睾丸のガンにかかってしまった実体験を描いた作品。闘病生活を描いているのに、温かさが感じられますし、健康に生きていけることのありがたさを思い出させてくれる作品です。この作品は受賞もしており、ここから漫画家としても人気に火が付きました。雨降って地固まるとはこのことでしょうか。
刺激注意度 ★2つ おススメ度 ★5つ
価格:792円 |
4.うつ
人が100人ほどいたら、その内5人ほどがウツを経験するというこの時代。ウツはもっと身近で、もっと気軽に扱えるといいものだと思います。ウツは深刻で大変なものですが、だからこそ、さっくり学べるコミックエッセイは貴重です。
ウツについての経験談を書いた本としてとても有名なものに「ツレがうつになりまして」があります。映画化もされてますし、私が紹介するまででもないのですが、興味のある方にはおススメです!
刺激注意度 ★2つ(ウツの人でも読みやすい) オススメ度 ★4つ (絵もかわいくて読みやすい)
ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫) [ 細川 貂々 ] 価格:605円 |
それから「うつヌケ」も有名な本で、こちらもおススメです。実体験を集めたもので、作者以外の経験もインタビューで描いています。経験者の話なのでそれなりに言葉の重みがありますし、自分なりにうつを抜けたコツなどが書いてあります。基本は自分を好きになる、それってとても大事なんだなと感じさせてくれます。
画力も高いので、言わんとしていることがビジュアルで理解しやすいです。
刺激注意度 ★ 4つ(ウツの人には情報が多いかも) おススメ度 ★3つ
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 【電子書籍限定 フルカラーバージョン】【電子書籍】[ 田中 圭一 ] 価格:1254円 |
それから、こちらは棋士の方の実体験を描いた「うつ病九段」。まだウツが完全に回復していない中でのコミックエッセイですが、ご家族に精神科医がいるため、そのアドバイスなどにも触れることができます。
刺激注意度 ★4つ おススメ度 ★3つ (真面目な方は共感しやすいかもです)
価格:1100円 |
5. 一味違う人・変わり者
私はもともと壇蜜さんが好きでした(そして、上にもご紹介しましたが、その旦那さんである漫画家の清野とおるさんも好きです)。
ですので「壇蜜」という、そのまま壇蜜さんの観察日記のような内容の漫画/コミックエッセイが出たら、もちろん買うにきまっています!
そして、読んでみると、ますます壇蜜さんが好きになりました。
さて、その壇蜜さんは「ウツ」で入院もされています。この漫画/コミックエッセイを読むと、壇蜜さんはなんというか、他の人とは一味違う特別な力を持った人だと感じました。だからこそ、苦しいこともあり、周りに理解をしてもらいにくいことがあるのかもしれません。
ただ、芸能人ということもあり、このウツからご快復されるようでしたら、上の「ウツ」のコミックエッセイの欄でぜひ紹介させてほしい!壇蜜さんだから、こんなに辛くて大変な経験をされたとしても、闇から、泥から、花を咲かせられるし、それによって沢山の人をインスパイヤする力があるように思えるのです。
壇蜜さん、応援してますし、壇蜜さんのカウンセリングを担当してサポート差し上げたいです!
刺激注意度 ★1つ(ホラーが嫌いじゃなければ全然、大丈夫!) おススメ度 ★5つ (芸能人はやっぱり一味違うんですね!でも、ちゃんと一人の人間なんだなぁとも伝わってきます。やっぱり壇蜜さん、好き!)
価格:792円 |
壇蜜さんの結婚相手、清野とおる先生については、上にもその作品を紹介していますが、このカテゴリー「一味違う人・変わり者」でもぜひ紹介させてもらいたいです。
「Love&Peace」は清野先生の幼少期からの普通ではない日々が赤裸々に描かれています。面白いだけでなく、清野先生が「これは・・・なんか大変」ってわかってしまうくらい一風変わっている様子が理解できますよ。
下の「発達障害」カテゴリーにも関連していますが、変わっている人は、変わった視点をもつなどして、常識的な人にはできないことが色々できたりします。清野先生はその力をプラスに使って、素晴らしい作品を作っているんだと理解できる作品です。
刺激注意度 ★2.5つ おススメ度 ★4つ (速読を学ぶこと等、へ~ってなって面白いですよ)
Love&Peace 1 〜清野とおるのフツウの日々〜【電子書籍】[ 清野とおる ] 価格:803円 |
変わっているといっていいのか、文化の違いなだけなのか・・・。東條さち子先生はなんとスリランカでゲストハウスを作り始めます。そういうことをされる東條先生も一風変わっているのかもしれませんが、スリランカのビジネスパートナーがくせ者すぎて、作者は常識的に見えてしまうくらいです。
スリランカでビジネスを成り立たせるのはかなり大変だということが伝わってきます。
この作品のいいところは、ヤマザキマリ先生のコミックエッセイと同じで、日本の固定概念に縛られてたな、とハッと気づかされるところかもしれません。一方、日本って素晴らしいよね、と日本文化の再発見もできるでしょう。
刺激注意度 ★2つ(ビジネスパートナーにストレスを感じるかも・・・) おススメ度 ★3つ(海外文化って興味深いですよね!)
海外でゲストハウスはじめました(1) 激闘編 【電子書籍】[ 東條さち子 ] 価格:1034円 |
さて、「変わっている」というのは、クリエイティブな人にとっては、基本的には誉め言葉ではないでしょうか。有名ではないかもしれませんが、私はこの作者さんも、一味違えど、ほのぼのしていていいなと思うのです。「貧乏漫画家は野花のように美しくいきたい」。まあ、よかったら息抜きにお読みください。
刺激注意度 ★2つ おススメ度 ★2つ
貧乏漫画家は野花のように美しく生きたい (バンブーエッセイセレクション) [ おもなが ] 価格:1320円 |
6.発達障害
毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で (本当にあった笑える話)
感銘を受けている発達障害もち(ADHD+ASD+SLD)の作家さんがいます。それは沖田×華先生。発達障害があるからこそ、他の人にはできないようなことがができており、時には羨ましくなるような才能を感じ、時にはハチャメチャで大変だな~と思ったりします。
この実体験を描いた漫画は発達障害を理解したい人にはうってつけですし、そうでなくても衝撃的な内容もあって面白いです(ですので、子供向けではありません)。
この実体験シリーズは、ある意味、沖田先生らしく(整理整頓が苦手、順序だてて考えることが難しい)、1巻ごとにタイトルが違うので、読者からしてもどれが最初でどれが後半かよくわからなくなる混乱の作品でもあります。何ならコマ割りもプロが描いたものなのに見にくいです(失礼ですね!スミマセン)。しかし、それ自体を楽しめてしまうくらい、興味深い本でもあります。
刺激注意度 ★1つ(多分、そこまで刺激はないと思います) おススメ度 ★4つ (発達障害を知るためにもみんなに読んでもらいたい)
毎日やらかしてます。 アスペルガーで、漫画家で[本/雑誌] (単行本・ムック) / 沖田×華/著 価格:1047円 |
1巻目 「毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で (本当にあった笑える話) 」
2巻目 「ますます毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で」
3巻目 「こりずに毎日やらかしてます。発達障害漫画家の日常」
4巻目 「とことん毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家の日常」
5巻目 「こんなに毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家がゆく」
6巻目 「ぐるぐる毎日やらかしてます。発達障害漫画家は楽しく生きている!?」
やれやれ、普通は1~〇巻で住むところ、タイトルが順序だってないから、コピペするのも大変です(汗)・・・・。しかし、これは発達障害の人が陥りやすい経験をさせてもらっているとも言えるでしょう。発達障害の人も、その周りの人も、日常生活のしわ寄せが大変になりがちです。
ちなみにAmazonでkindle Unlimitedに入ると上記の沖田先生のコミックは読み放題になるので、一気読みをしたい方はその方がお得だと思います。私もそうしていましたが、あまりに面白かったので最終的にはほとんど購入しちゃいました。
ところで、この「やらかしシリーズ」はなぜかAmazon的には6巻までとなっていますが、続きがあります。
続きの続き「ざわざわ毎日やらかしてます。発達障害な日々」
最終巻 「それでも毎日やらかしてます。発達障害漫画家よ永遠に…」
最終巻まで読むと、10年分の力作をすべて読破できたことになるわけです。このシリーズを読むことで、ときに友情・恋愛・夫婦(性を含む)とは何か、自殺とあの世の関係、発達障害・薬のメリット・デメリットなどを考えさせられますし、理解が深くなります。
なお、沖田先生は実体験だけでなく、実体験をもとにしたフィクションの漫画も描いており、それも素晴らしいんですよね。透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~シリーズは、胸にささる感動作です。しかし、心をゆすぶられるがゆえに、エネルギーをとられてしまうので、私は「透明なゆりかご」はあまり読み返したりしない作品でもあります。
7. ヤングケアラー 関連
「お母さんのおむつを替えた日」・・・・実はタイトルで敬遠してずっと読んでいませんでした。だって、コミックなのに、しんどい気持ちになりそうなタイトルですから・・・。

だけどある時、ふと目に留まって読んだどころ、最後にはポジティブな意味で泣きました・・・・。
母親は善意があり、自分の人生を自分なりにまっとうしようとしているのですが、自分の子どもには犠牲を強いてしまいます。しわ寄せをくらった子どものは、自覚なくヤングケアラーとなり、自己犠牲の道を歩むようになります。
そういう紆余曲折あっての、後半が深いのです。なお、前半もある意味、特殊な状況なので、能力ゆえにこんな状況になる方もいらっしゃるんだなと興味深く読み進められるのではないかと思います。
さて、この本は「ヤングケアラーの実態を知るにはうってつけの本」だと思います。自分がヤングケアラーだと気づいていない人、その周りの人たち、子どもは親の介護をするのが当然と思っている人に是非読んでほしい一冊です。
刺激注意度 ★4つ(ちょっとしんどい場面があります) おススメ度 ★3つ
お母さんのおむつを替えた日 ヤングケアラーの見つけ方【電子書籍】[ 一ノ瀬かおる ] 価格:1320円 |
8. 自殺されるということ
私はカウンセラーという経験上、自死遺族の悲しみは言葉に表せないほど甚大なものと認識しています。自殺は、本人の周りの人生を一変させるような、とりかえしのつかない、非常に大きな苦しみを生み出すものです。
さて、今回、紹介する「自死遺族になっちゃった」も、自死遺族の心の苦しみや負担を描いています。しかし、心の負担に関しては、おそらくあまりにディープ過ぎるので、どちらかというと経済的な負担をメインに描いているように思われます。
マンションで妹の夫が自殺したことにより、妹がマンションを管理する不動産屋から1千万円の損害賠償を求められるという経験が描かれています。夫が亡くなって傷ついている妹さんにとって、まさしく、ふんだりけったりな話です。
自死遺族となった妹さんはお金がない中、弁護士を雇って対応しますが、負担が軽減されても、やはりけっこうな額を背負わなくてはいけないんですね。
もし家族への負担が自殺をやめる歯止めになりそうであれば、このコミック・エッセイを読むのもよいかもしれません。そして、それくらい辛いのであれば、ためらわずに支援を求めてくださいね。
刺激注意度 ★5つ(やはり自殺を扱っているので重い気持ちになりやすいでしょう) おススメ度 ★2つ
9.死んだあと
上にある沖田×華先生のコミックエッセイの中に、首つり自殺しようとして、ひもがちぎれて死ななかった、という描写があります。この時、地獄に行ってしまい大変だった上、そこからメッセージをもらった、という実体験が描かれていました。
もちろん沖田先生は今は生きています。死んだあと、となると誰も実体験はできないので、正確には実体験漫画やコミックエッセイとして、紹介できるものはないのかもしれません。
ですので、ちょっと違う角度から、幽霊となった旦那さんとの実体験を描いた作品をご紹介します。
コミックエッセイの中心人物は霊能力が強く(絵は他の人が描いています)、ダンナさまが幽霊になってもしばらくの間、一緒に過ごしていらっしゃいました。この作品では、証明はできませんが、霊界についても紹介されていますよ。
ちなみに、幽霊とすごすことは、上にある「壇蜜」という作品でもとりあげられているテーマです。
この「ダンナさまは幽霊」はダンナさんが旅立つまで、幸せにご縁をつむいでもらっており、良い関係でいられたようです。
刺激注意度 ★2つ おススメ度 ★3つ
ダンナさまは幽霊 霊界だより (コミックエッセイの森) [ 流光七奈 ] 価格:1100円 |
10.エロ
幽霊を撃退するには、エッチな言葉を言えばいいと聞いたことがあります。エッチな言葉が力を持つのは、生命エネルギーの強さと関係しているからで、幽霊が逃げてしまうとのことです。
生命エネルギーは確かにとても大事なことですよね。生まれたからには、生命エネルギー溢れていた方が生きやすいと思います(性に限らず、衣食住を楽しむなど)。そんなわけで、最後に性を描いたコミックエッセイを紹介しましょう!
作者はさんまさんMCのバラエティTV番組「恋のから騒ぎ」に出演し、その経歴を活かした形でAV女優になっていきます。性についてここまでオープンにし、AV女優さんの実態をこんなに興味深く教えてくれるコミックエッセイは他にないでしょう。私がこの作者を好きなのは、生きる力が強いってことです。悪いことはしていない、やりたいことをやろうとしている、その強さと素直さに好感が持てます。
※ただし、これは自伝的漫画であり、ノンフィクションの部分も入っているようです。AVの世界を端的に表現しようとする中で、他の女優さんも関わることなので、いたしかたないかもしれませんが、コミックエッセイとして扱えるのか迷うところです。
刺激注意度 ★4つ (未成年には★5つ、元気のない人には良い刺激になるところもあるかもです) おススメ度 ★3つ
価格:990円 |
ちなみにエロではないですが、生きる力の強さを感じられるという点では、同じ作者の「わが子ちゃん」も参考になります。AV女優としての経歴を持ちながら、結婚して子どもをもつということ。作者はAV女優をするときに、結婚には影響が出るだろうと思ってはいましたが・・・・でも、すごく幸せそうです。今を大事にし、パートナーを大事にする姿は素直に素敵だと感じます。
AV女優である作者と結婚したことで、旦那さんは実家から勘当されてしまいます。でも、妻を献身的に支え、そんな夫に妻も思いやりを返し、相手に嫌なことをいったと気づいたら、時間がたっていても素直に謝りにいく。
子どもについても、かわいいけど、愛せないときがあってもそれも認める。そういう夫婦に育てられたら、子どもはどうなっていくのでしょうか。子どもを愛せない高尚・上流の家庭よりも、子どもにはよい教育環境なのではないかと思います。ただ、人生がそうシンプルではなく、社会との接触なくして生きていくのが困難なのも確か。見守りたいですね。
注意刺激度 ★2つ おススメ度 ★4つ
わが子ちゃん1〜育児は産む前から始まっている!〜 【電子書籍】[ 峰なゆか ] 価格:1100円 |
11.その他の名作
・第34回日本漫画家協会賞大賞
・平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
・第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞
・第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門
などなど、様々な賞を得たコミックエッセイ。読んだのはずっと昔ですが、心に残った作品でもあります。
連載も経験し、漫画家としてファンも多かった作者ですが、タイトル通り失踪していく様子を思い出して漫画にしてあります。アルコールに依存してホームレスとして落ちぶれていく様子が衝撃的でもあります。生計を立てるため、自分の漫画の原作を売ったり、日雇いバイトをして生きていきますが、そこには死にそうになるようなこともあり・・・・。内容は悲惨かもしれませんが、軽やかに漫画に描かれているので読みやすいです。誰でもこんなふうに、ふっと失踪してしまうのかも・・・と思わせる作品でおススメです。
刺激注意度:★2つ おススメ度:★5つ
価格:1254円 |
気に入った方は、失踪日記の続きでアル中病棟の様子を描いたコミックエッセイもおススメです。「アル中になったら、こんなグループに所属してこんな体験をするんだ」、「アル中病棟の看護士さんとはこんな感じなんだ」、などいろいろ学べます。漫画を通じて、アル中病棟のスタッフから学んだ「知識」も描かれているので、自分や周りがアル中かもと思ったら是非読んでほしい作品です。
刺激注意度:★2つ おススメ度:★5つ
価格:1430円 |
刑務所の中
この作品もまた、心に残る作品です。文庫本サイズなのでサイズも値段も気軽に手にとりやすいコミックエッセイです。多分、作者の性格なのか、みっちりとした絵でみっちりとした情報が描かれています。
普通はなかなか刑務所の生活というのはイメージしにくいですが、このコミックエッセイを読むと、刑務所の日常生活がわかりやすく描かれています。罪をおかした自分に、日本の刑務所は親切であると作者は考えています。実際、そうなのかもしれませんが、それでもご飯・甘いものに執着したり、安く単純作業をしたりと、それなりに不便そうではあります。刑務所を実体験しないと描けないという意味でも、貴重な作品だと思います。
刺激注意度:★3つ おススメ度:★5つ
価格:825円 |

