面白くて為になるコミックエッセイ/実体験漫画

他者の人生には違う楽しさ・学びがある〜コミックエッセイのすすめ~
「コミックエッセイ」は、作者の経験談をマンガにしたものであり、ビジュアルに訴えつつ、軽やかで読みやすいエンタメであり、アートです。
読むだけで明るい気分になったり、こういう考え方もあるんだなと視野が広がったり、良い気分転換になるものもあります。悲惨な経験をとりあげているコミック・エッセイですら、さらさらと読み進められる上、最後には感動・・・!なんてパターンもけっこうあります。
そんなわけでコミック・エッセイ好き私が、おススメな作品をカテゴリー別にご紹介します。みなさまにも良い出会いがありますように。

前半は気分が楽しくなるもの、明るい気分になれるものを中心に紹介します!
心が温かくなるコミックエッセイ・実体験漫画
1.ハハハッと笑える楽しい作品
「コミックエッセイがおすすめ」と書いている私ですが、この作品は画力も構成力も高い漫画家が描いているので、本当はコミックエッセイというより実体験漫画と呼ぶべきものなのでしょう。とはいえ、コミックエッセイと実体験漫画の違いは曖昧なので、ここでは全ての実体験に基づく漫画は、コミックエッセイと呼ばせてください。
この「ママはテンパリスト」は、様々な作品をテレビドラマ化されてきた東村アキコ先生の作品で、笑えて楽しい子育ての記録です。子育てなんてしたことがない、興味のない人も確実に、テンパっている東村先生の姿に笑えるハズ!
笑える度 ⭐️5 つ オススメ度 ⭐️5つ
価格:777円 |
猫が好きってこともありますが、この作品、私は大好きです。めちゃめちゃ笑えて、癒されるので、猫好きの方にはもう絶対読んでほしい!にゃんこのポンタ君がすご~~くカワイイのに対して、作者の鴻池 剛先生の表情につい声を出して笑っちゃうと思いますよ。
笑える度 ★5つ オススメ度 ★5つ
鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 【電子書籍】[ 鴻池 剛 ] 価格:1254円 |
こちら2作品も天才漫画家が描いているコミックエッセイ。映画にもなった「テルマエロマエ」を代表作品とするヤマザキマリ先生の実体験を描いた作品です。ハハハっと笑えるだけでなく、ホホ〜っと海外文化についても興味深く読むことができます。この作品を読んでいると、「世界は広く、今ある固定観念が全てではない」と感じさせてくれますし、気分転換にもなりますよ。
内容ですが、「イタリア家族」はヤマザキ先生のイタリア人の結婚相手とそのご家族が個性的なので、必然的に起きる様々なハプニングが描かれています。ヤマザキ先生としては愚痴がたまっていくわけですが、そこをはプロの漫画家で、しっかり読者が笑えるように昇華した作品です。
笑える度 ★5つ おススメ度 ★5つ
イタリア家族 風林火山 1巻 【電子書籍】[ ヤマザキマリ ] 価格:385円 |
「世界の果てでも漫画描き」は、日本を飛び出て漫画家が冒険する作品。特に心に残ったのは3巻目に出てくるチベット編。旅行すると、ふっと命さえ危うくなることがあるのですよね。移動は大変だけど、チベットはとても魅力的に描かれており、チベットに行きたくなりました(行ってませんけどね)。
笑える度 ⭐️3つ おススメ度 ⭐️5つ
世界の果てでも漫画描き 1 キューバ編 【電子書籍】[ ヤマザキマリ ] 価格:617円 |
2.心が温まる作品
芸人の矢部太郎さんの作品で、一時期、ブームになってましたよね。芸人としてあまり売れず時間が余っている中で、お年寄りの上品な大家さんと少しずつおつきあいが深まっていきます。最初は大家さんをおせっかいで嫌だと思っていたのに、最後は・・・読者が思わず涙してしまうような心温まるお話です。正直、2巻は私はあまり好みではないですが、1巻はオススメです!
心温まる度 ⭐️4つ オススメ度 ⭐️4つ
価格:781円 |
ダークサイドも面白いコミックエッセイたち
ここから、明るく笑える作品だけではなくて、ダークサイドも見え隠れする作品も紹介していきますよ!ダークサイドだからこそ、深かったり、共感できたり、感動があったりするので、私はダークサイドのコミックエッセイも好きです。
とはいえ、ダークサイドについては、刺激が強い人もいると思いますので、刺激注意度も独断と偏見で書いていきます。星が多いものは要注意です。
3.ウツ
人が100人ほどいたら、その内5人ほどがウツを経験するというこの時代。ウツはもっと身近で、もっと気軽に扱えるといいものだと思います。ウツは深刻で大変なものですが、だからこそ、さっくり学べるコミックエッセイは貴重です。
ウツについての経験談を書いた本としてとても有名なものに「ツレがうつになりまして」があります。映画化もされてますし、私が紹介するまででもないのですが、興味のある方にはおススメです!
刺激注意度 ★2つ(ウツの人でも読みやすい) オススメ度 ★4つ
ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫) [ 細川 貂々 ] 価格:605円 |
それから「うつヌケ」も有名な本で、こちらもおススメです。実体験なので、それなりに言葉の重みがありますし、自分なりにうつを抜けたコツなどが書いてあります。ウツに悩んだ色々な方の体験談が集められています。
画力も高いので、言わんとしていることがビジュアルで理解しやすいです。
刺激注意度 ★ 4つ(ウツの人には情報が多いかも?) おススメ度 ★3つ
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 【電子書籍限定 フルカラーバージョン】【電子書籍】[ 田中 圭一 ] 価格:1254円 |
それから、こちらは棋士の方の実体験を描いた「うつ病九段」。まだウツが完全に回復していない中でのコミックエッセイですが、ご家族に精神科医がいるため、そのアドバイスなどにも触れることができます。
刺激注意度 ★4つ(ウツの人は気を付けて読んでください) おススメ度 ★3つ
価格:1100円 |
4. 一味違う人・変わり者
私はもともと壇蜜さんが好きでした。そしてその旦那さんである漫画家の清野とおるさんも好きです。
ですので「壇蜜」という、そのまま壇蜜さんの観察日記のような内容の漫画/コミックエッセイが出たら、もちろん買うにきまっています!
そして、読んでみると、ますます壇蜜さんが好きになりました。
さて、その壇蜜さんは「ウツ」で入院もされています。この漫画/コミックエッセイを読むと、壇蜜さんはなんというか、他の人とは一味違う特別な力を持った人だと感じました。だからこそ、苦しいこともあり、周りに理解をしてもらいにくいことがあるのかもしれません。
ただ、芸能人と言うこともあり、このウツからご快復されるようでしたら、上の「ウツ」のコミックエッセイの欄でぜひ紹介させてほしい!壇蜜さんだから、こんなに辛くて大変な経験をされたとしても、闇から、泥から、花を咲かせられるそういう力があるように思えるのです。
刺激注意度 ★1つ(ホラーが嫌いじゃなければ大丈夫!) おススメ度 ★5つ
価格:792円 |
さて、「変わっている」というのは、クリエイティブな人にとっては、基本的には誉め言葉ではないでしょうか。有名ではないかもしれませんが、私はこの作者さん、好きです。「貧乏漫画家は野花のように美しくいきたい」。まあ、よかったら息抜きにお読みください。
貧乏漫画家は野花のように美しく生きたい (バンブーエッセイセレクション) [ おもなが ] 価格:1320円 |
5. ヤングケアラー 関連
「お母さんのおむつを替えた日」・・・・実はタイトルで敬遠してずっと読んでいませんでした。だって、コミックなのに、しんどい気持ちになりそうなタイトルですから・・・。

だけどある時、ふと目に留まって読んだどころ、最後にはポジティブな意味で泣きました・・・・。
母親は善意があり、自分の人生を自分なりにまっとうしようとしているのですが、自分の子どもには犠牲を強いてしまいます。しわ寄せをくらった子どものは、自覚なくヤングケアラーとなり、自己犠牲の道を歩むようになります。
そういう紆余曲折あっての、後半が深いのです。なお、前半もある意味、特殊な状況なので、能力ゆえにこんな状況になる方もいらっしゃるんだなと興味深く読み進められるのではないかと思います。
さて、この本は「ヤングケアラーの実態を知るにはうってつけの本」だと思います。自分がヤングケアラーだと気づいていない人、その周りの人たち、子どもは親の介護をするのが当然と思っている人に是非読んでほしい一冊です。
刺激注意度 ★4つ(ちょっとしんどい場面があります) おススメ度 ★3つ
お母さんのおむつを替えた日 ヤングケアラーの見つけ方【電子書籍】[ 一ノ瀬かおる ] 価格:1320円 |
6. 自殺されるということ
私はカウンセラーという経験上、自死遺族の悲しみは言葉に表せないほど甚大なものと認識しています。自殺は、本人の周りの人生を一変させるような、とりかえしのつかない、非常に大きな苦しみを生み出すものです。
さて、今回、紹介する「自死遺族になっちゃった」も、自死遺族の心の苦しみや負担を描いています。しかし、心の負担に関しては、おそらくあまりにディープ過ぎるので、どちらかというと経済的な負担をメインに描いているように思われます。
マンションで妹の夫が自殺したことにより、妹がマンションを管理する不動産屋から1千万円の損害賠償を求められるという経験が描かれています。夫が亡くなって傷ついている妹さんにとって、まさしく、ふんだりけったりな話です。
自死遺族となった妹さんはお金がない中、弁護士を雇って対応しますが、負担が軽減されても、やはりけっこうな額を背負わなくてはいけないんですね。
もし家族への負担が自殺をやめる歯止めになりそうであれば、このコミック・エッセイを読むのもよいかもしれません。そして、それくらい辛いのであれば、ためらわずに支援を求めてくださいね。
刺激注意度 ★5つ(やはり自殺を扱っているので重い気持ちになりやすいでしょう) おススメ度 ★2つ
7.発達障害
感銘を受けている発達障害もち(ADHD+ASD+SLD)の作家さんがいます。それは沖田×華先生。発達障害があるからこそ、他の人にはできないようなことがができており、時には羨ましくなるような才能を感じ、時にはハチャメチャで大変だな~と思ったりします。
この実体験を描いた漫画は発達障害を理解したい人にはうってつけですし、そうでなくても衝撃的な内容もあって面白いです(ですので、子供向けではありません)。
この実体験シリーズは、ある意味沖田先生らしく(整理整頓が苦手、順序だてて考えることが難しい)、1巻ごとにタイトルが違うので、読者からしてもどれが最初でどれが後半かよくわからなくなる混乱の作品でもあります。何ならコマ割りもプロが描いたものなのに見にくいです(失礼)。しかし、それ自体を楽しめてしまうくらい、興味深い本でもあります。
刺激注意度 ★1つ(多分、そこまで刺激はないと思います) おススメ度 ★4つ (発達障害を知るためにもみんなに読んでもらいたい)
毎日やらかしてます。 アスペルガーで、漫画家で[本/雑誌] (単行本・ムック) / 沖田×華/著 価格:1047円 |
1巻目 「毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で (本当にあった笑える話) 」
2巻目 「ますます毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で」
3巻目 「こりずに毎日やらかしてます。発達障害漫画家の日常」
4巻目 「とことん毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家の日常」
5巻目 「こんなに毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家がゆく」
6巻目 「ぐるぐる毎日やらかしてます。発達障害漫画家は楽しく生きている!?」
やれやれ、普通は1~〇巻で住むところ、タイトルが順序だってないから、コピペするのも大変です(汗)・・・・。しかし、これは発達障害の人が陥りやすい経験をさせてもらっているとも言えるでしょう。発達障害の人も、その周りの人も、日常生活の後始末が大変になりやすい傾向があります。
ちなみにAmazonでkindle Unlimitedに入ると上記の本は読み放題になるので、一気読みをしたい方はその方がお得だと思います。私もそうしていましたが、あまりに面白かったので最終的にはほとんど購入しちゃいました。
ところで、この「やらかしシリーズ」はなぜかAmazon的には6巻までとなっていますが、続きがあります。
続きの続き「ざわざわ毎日やらかしてます。発達障害な日々」
最終巻 「それでも毎日やらかしてます。発達障害漫画家よ永遠に…」
最終巻まで読むと、10年分の力作をすべて読破できたことになるわけです。このシリーズを読むことで、ときに友情・恋愛・夫婦(性を含む)とは何か、自殺とあの世の関係、発達障害・薬のメリット・デメリットなどを考えさせられますし、理解が深くなります。
なお、沖田先生は実体験だけでなく、実体験をもとにしたフィクションの漫画も描いており、それも素晴らしいんですよね。透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~シリーズは、胸にささる感動作です。しかし、心をゆすぶられるがゆえに、エネルギーをとられてしまうので、私は「透明なゆりかご」はあまり読み返したりしない作品でもあります。
